糖尿病網膜症とは
糖尿病の3大合併症の1つで、糖尿病罹病期間が15年以上になると網膜症の有病率は40%になります。
目の中の血管が膨れたり、閉塞したり、破れたりするために網膜や硝子体などに異常が出てくる病気です。
定期的な検診と早期の治療を行えば病気の進行を抑えることができますが、実際には日本の中途失明原因の代表的な病気です。まだ見えるから大丈夫という自己判断は危険です。
糖尿病網膜症の進行・治療
糖尿病網膜症は、進行の程度によって、3段階の症状に分けられます。
初期:単純網膜症
自覚症状や視力低下は全くありません。
糖尿病自体の治療と同様、血糖をコントロールし、定期検査で経過を観察しながら進行を防ぎます。
中期:増殖前網膜症
放置すると増殖網膜症に進行しやすい状態です。小さな眼底出血や、網膜の虚血変化が現れます。
視力は低下しないことも多く、自覚症状がない場合があります。
放置すると増殖網膜症に進行しやすいため、適切な時期にレーザー治療を行います。当院のレーザーシステムは短い時間で痛みが少なく正確なパターンでの治療が可能です。
末期:増殖網膜症
網膜の酸欠が進み、酸素を送り込むために新生血管が発生します。
新生血管が破れ、硝子体から出血がおこると、視力低下の症状が出てきます。
網膜剥離、難治な血管新生緑内障などさまざまな状態を引き起こします。
レーザーによる治療を行ったり、時には手術が必要になることもあります。
糖尿病と診断されたら眼科へ
初期段階である単純網膜症の場合は血糖コントロールにより病状の改善が期待できます。
糖尿病を放置していると、知らないうちに糖尿病網膜症はどんどん進行していきます。
糖尿病の可能性がある場合は、早期に眼科を受診しましょう。